• 季節を感じる:7月

omotenashi

1年のおもてなし

七月

和のこころ

 

 夏の炎天をついてわが家を訪れてくださるかたに、まずは冷たいお水を差し上げてほっとしていただきます。コップを一瞬でもいいので冷凍庫に入れ、お水に氷と、レモンを数滴しぼって入れるとよりさっぱりします。

 冷たいおしぼりは、あらかじめ水気をしぼってビニール袋に入れ、冷蔵庫や冷凍庫に入れておきます。急なお客様のときは氷水の中で手早くしぼります。おしぼり用のタオルはキッチンの引き出しの奥におしぼり受けと一緒に収納していますが、特別な受け皿でなくても、手持ちのかごや小ぶりなトレーも素敵ですし、トンボや豆しぼりなど、涼しげな柄の小さな手ぬぐいも楽しいもの。

 ある日本料理のお店に行ったときのことです。食事をしている間中、窓越しに見える庭の石が打ち水でしっとりとしていて、もてなしの心が伝わってきました。お料理だけでなく、五感が満たされて心地よいひとときでした。
 おもてなしと言うと大げさに感じるかもしれませんが、相手の身になって思いやること、それこそが一番大事。ですから、コップ一杯、おしぼり一つもその気持ちで行えば、立派なおもてなしです。

 

(写真上:にがうり)

花の少ない盛夏。いつも食卓にのる野菜を生けてみました。小さな苦瓜はつるの先が巻いたりはねたりしてとても表情豊かです。

 

All photos:
Aya Brackett ( http://ayabrackett.com/ )

Special thanks:
Miki Hirota, Sylvan Brackett ( http://eatpekopeko.com/ )