• あっさりボルシチ

omotenashi

1年のおもてなし

二月

あっさりボルシチ

母の作る「赤いスープ」は、幼い私にとって魔法のスープでした。赤い色の料理が珍しかったのでしょう。それは白系ロシア人のガンシンさんから習ったボルシチでした。牛の煮込みというとシチューになさるかたが多いかと思いますが、シチューよりもあっさりとして、いつまでも飽きない家庭の味です。

今回撮影をしてくれたAyaさんはこのボルシチが気に入り、帰国してすぐにカリフォルニアの家族や友人たちに作って好評だったとか。ガンシンさんから母に伝わって80年。ロシアー日本—アメリカへと渡り、どこまでもおいしい輪が広がっていきます。

 
[材料](4人分)
牛すね肉 800g(塩、こしょう各適宜)
玉ねぎ 2個
にんじん 2本
セロリ 1本
紫キャベツ 1/3個
じゃがいも 2個
にんにく 1かけ

[A]
ビーフストック 10カップ
ベイリーフ(乾燥)2枚
黒粒こしょう 10粒
ビーツ(缶詰)* 1缶(425g)
[B]
トマトピューレ 1/2カップ
ワインビネガー 大さじ3
三温糖 小さじ1
塩 大さじ1、こしょう 少々

サラダ油、バター 各さじ2
ほかに、サワークリーム 適宜

 

[作り方]
1:牛肉は、一口大に切り、塩こしょうする。
2:玉ねぎは半分に切って薄切り。にんにくは皮をむいてつぶす。
3:にんじんは5cm長さに切り、太り部分は4つ割りにする。
        セロリは筋を取り,5cm長さに切る。紫キャベツは2cm幅に切る。
     じゃがいもは皮をむき、4つに切る。
4:厚手の鍋にサラダ油を熱し、1の肉に焼き目をつけて取り出す。
     ここにバターを足し、2をいためてしんなりしたら肉を戻し入れ、
         Aを加えて強火で一煮立ちさせる。
  あくを取りながら弱火で1時間煮、 途中で塩少々(分量外)を加え
  る。
5:ビーツを汁ごと加え、3の野菜、Bも加えて、さらに40〜50分煮、
  塩、こしょうで味を調える。
  ここで、上に浮いた脂をきれいに取り除くと、
  さっぱりした仕上がりになる。
6:温めた器に盛り、サワークリームを添える。

 *生のビーツを使うときは、たっぷりの水に少量の酢を加え、皮つきのままやわらかくなるまでゆで、ゆで汁の中で冷まし、皮をむく。

All photos:
Aya Brackett ( http://ayabrackett.com/ )

Special thanks:
Miki Hirota, Sylvan Brackett ( http://eatpekopeko.com/ )