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日曜日と祝日は18:00までの営業です。

Sylvan Mishima Brackett

Sylvan Mishima Brackett
http://eatpekopeko.com/

by Yukari Iki


京都に生まれたシルバンは日本人とアメリカ人のハーフ。
6年間Chez Panisse創立者であるアリス・ウォーターのファーストアシスタントを勤めた後、埼玉にある【蕎麦ろ】にておもてなしから始まる日本の食文化を修行。
帰国後、ケータリングユニットPeko Pekoを立ち上げ活動する傍ら、Chez Panisseのクリエイティブディレクターとして、様々な情報とネットワークを張り巡らしている。
彼が日本の家庭料理を基本にしたケータリングユニットをすることになったきっかけは、もちろんお母様の出身地が日本であるということ。
そして、生まれた場所である京都に、幼少の頃は夏休みともなると祖母を訪ねていたこともあり、日本食のシンプルさとおもてなしそのものに惚れ込んだのだとか。

ネヴァダにある彼の実家は、いまや日本でも見かけることの少ない完璧なる日本家屋。
ネヴァダにこの建物をわざわざ建てただなんて考えられないほど、とてつもなく完璧な古いお寺のような日本家屋。
その建物は他でもない、日本の寺建物の大工/職人として京都で7年間修行した経験があるお父様自ら手掛けたもの。
そのお父様はその経験をEAST WIND INC. (HIGASHI KAZE)という会社を立ち上げ、ネヴァダをベースに日本建築を手掛けている。

シルバンと彼の妹であるアヤによると、
「冬は寒くて夏は暑い、とてもネヴァダには機能的にマッチしているとは思えない建築だった」
と幼少時代の思い出を子供達である彼らに言われてしまってはいるものの、
その実家である建物の写真がぼろぼろになりながらも、常にお財布の中にいれている兄妹。家族愛。

シルバンとの出会いは、去年の夏に野村友里さんがロスとサンフランシスコに訪れた際に、アヤの兄として紹介されたのが始め。
そしてその数ヶ月後に、シルバンとアヤが祖母に会いに行く途中に来てくれた鹿児島での料理撮影の際が二度目。

そんな”ちょろっとした時間"をともにしただけだったシルバンだったが、
より濃密な時間を過ごすことになったのが2月にシェパニーズに修行させてもらいに行った時。
そう、つまりそんなに年月たっていない間柄。
なのに、なぜだろう?心地よくすごく前から知っているような雰囲気にお互いなれるのは? 
日本語が少し分かってくれるからなのか、英語で全てを伝えようと思う時のような緊張をしなくても、逆に自由に気にせず気持ちを伝えやすい相手。
そして発音が例え日本語風であったとしても、私の言っていることを理解する免疫がシルバンにはある。
そしてなにより、言葉や国を超えて分かり合えることがあると言いますが、幸運にも「食」というツールが全てをつなげてくれているんだと。
彼だからこそ、多くの考え方や私(友里)自身の意志を伝え意見を交換しあうことができている仲間の1人。

星回りというか巡り合わせというのは、自分が素直でニュートラルに努力している時、つまりはなにも狙ってない時だからこそ訪れてくるものらしく、
2月のシェパニーズでの修行を終えた後、私が監督を勤めた映画"eatrip"の試写が4月にサンフランシスコで開催されることに。
そしてそのレセプションでお料理を振る舞う機会を恵まれ、パートナーとしてPeko Pekoと一緒にケータリング。

日本でしか取得できない食材や調味料はスーツケースいっぱいにつめこんで渡米したものの、
バークレーを拠点にしているシルバンなしには成立しなかった程の彼の行動力とGIVEの精神。
たった数回のメールのやりとりでメニュー考案を一緒にし、いざ現場。現地での食材集めは、シルバンのシェパニーズでの経験を活かし、
市内から郊外へと与えられた時間をフル活用し車を走らせる走らせる。おちゃめなキャラクターで、
声のトーンがとてもやわらか。どこか教育番組のお兄さんのような話し方と目の配り方は、食材を触るときも同じ。
そしてまたひょんなことに、その2ヶ月後の6月にロサンゼルスはサンタモニカにある老舗の陶器メーカー"ヒースセラミックス"にお呼ばれ。
そのお店で、東京のインテリア会社PLAYMOUTAINの展示会初日のレセプションをさせてもらうことになり、再度渡米。
その時のパートナーももちろんロサンゼルスから車でわざわざ8時間かけてかけつけてくれたのはシルバンでした。
奥さんの実家がロサンゼルスにあるから大丈夫だと言い、車で一人食材や調理器具を車一杯に詰め込んで。

大皿が必要なメニューを二人で考案していたのにも関わらず大皿の用意がないと分かったとたんに、友里さんが大きな葉ものをお皿代わりに使おう!と提案するだけで、
とてつもない感動を覚えてくれる。彼女にしてみたら、普段のケータリングではよくする手法の1つではあるのでアイデアを出した感はないのだけども、
そういうお互いの【自分にとっての普通】を何気ない調理最中に交換し刺激し合うことで、次の何かに進める。
そういう個々が独立した中で生まれる場の雰囲気や作品の仕上がりは格別。
フォトグラファーである妹のアヤともよく仕事を一緒にこなし、とても仲のいい家族。
アヤは、自分の兄であるシルバンの感覚と思いを人として尊敬し、彼の料理活動を撮影することで毎回自分の作風にも影響があるという。

 

Sylvan Mishima Brackett
http://eatpekopeko.com/