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読みもの
花のある暮らしはいい。
思い思いに
自分が気持ちよくなる活け方がある。
自分がいる環境が
パッとさりげなく変化する。
玄関に、洗面所に、キッチンに、
トイレに、ベットの横に。
流石に一度車の中に飾ろうとしたら
かわいそうな事になってしまったけど。。。
母はお茶を習っていた影響か
購入するお花はもちろんの事、
散歩していても道ばたに咲く雑草野花でも
摘んでとても美しく凛と活けている。
よって家の中は”気”までよくなり
いつも実に気持ちがいい。
ある時「そのコツは?」と母に聞いところ、
「花の気持ちになって話しかけること」
と答えが返ってきた。
久しぶりにゆっくり軽井沢の家に行くと、
到着してまず目の前に広がったのは
なんともゆったりとした濃いグリーンの庭。
“気”がとてもいい。
よく見たら味気ない芝だった庭が
辺り一面しっとりとした苔で覆われているではないか!
母にまたその変貌ぶりを聞いてみたところ、
少しずつ、少しずつ
数年かけて裏の庭から苔を移植していたらしい。
そして必ず植え付ける時に、「雑草に負けないでね」
帰る時は「また来るからね」
と声をかけていたらしい。
(厳密にいうとまたくるからねの時は手を振り、
負けないでねの時は、両手の拳を上下にふってホントに応援してました。)
「そしたら、こんなに繁殖したの」
と嬉しそうに話す。
嘘のような本当の話。
相手の気持になる。。。か。