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読みもの
和ろうそくの長細い炎のみをたよりに、その晩初めて顔を会わす国内外の人々と一体感になりお茶をたしなむ。
緑深まる森林の中でもなく、
田園広まる家屋内でもなく、
東京タワーが目の前に見える都会のどまんなかにあるマンション一室内にあるお茶室。
マンションの窓内にあるお茶室の窓、その重なる窓にかこまれたお茶室。
暗闇になってはじめて生まれる初対面同士との一体感や、お茶の味をより深く感じ味わえるその感覚に気づく。
宇宙を訪れたかのように、現実離れした異空間に足を踏みいれる。
だからこそ、その世界に入る前にほどこすべき様々な作法。
現実の世界であっという間にすぎてしまう1時間が、お茶の世界に入ると数時間に変貌するくらい、時間が存在しない世界。